悪性リンパ腫の患者さんのブログを検索していると、
あれ、こんな人もいたのかというブログに出会う。
プロフィール画像に犬の写真が貼ってあったりして、
ああペットの写真を使ってるんだ、この人は、なんて思いながら記事を読んでいくと、
なんかちょっとヘンなのだ。
で、読み進んでいくと、ようやくこれは飼い犬の悪性リンパ腫ブログだったと気がつく。
犬は悪性リンパ腫にかかりやすいみたいだ。
(たいしてかわいくない犬の例)
日本でよく飼われている犬種の中では、ゴールデンレトリバーがかかりやすいらしい。
で、犬はどんな治療を受けるのか調べてみると、おなじみのCHOPが使われていたり、
これにL―アスパラギナーゼを加えたプロトコルもある。
その他にも、ノバントロンやキロサイド、メトトレキサートなどもあり、人間と同じだ。
ただ、治療をしても2年生存率は25%と短くて、なんだかかわいそうだ。
犬もリツキサンで治療できればいいのになと思った。
(リツキサンはヒト化された抗体なので、もちろん犬には効かない)
でも、このペットブームの時代だから、ひょっとして犬化抗体だって作られたりしているかもと、
Googleで「犬用リツキサン」 を検索してみた。
結果として、そんなものあるはずもなかったのだが、
検索結果の中で、こんな言葉が目に飛び込んできた。
「不適合腎移植 リツキサン投与」
何のことかと調べてみると、いまリツキサンは日本の腎臓移植を、大きく変えているらしい。
腎臓移植をおこなう際、血液のABO型が合っていないドナーの腎臓をつかうと、
強い拒絶反応がおこる。
今までは、移植を受ける側の脾臓を摘出することで、これを防いでいたのだが、
移植前にリツキサンを投与することで、拒絶反応を防ぐことができるようになり、
脾臓摘出の必要がなくなったというのだ。
ある医科大学のサイトで、具体的な使用法について書かれている。
「まず移植8日前に抗体産生細胞であるB細胞を破壊する目的でリツキサン(抗B細胞抗体) を
投与します。リツキサンは白血病治療薬ですが、ABO血液型不適合移植の術前処置薬として
現在一般的に使用されて います。」
↑白血病治療薬かよ!と突っ込みを入れたくなるが、
腎臓のドナーが多くない日本では、リツキサンはたいへん役立っているとのことだ。
腎臓移植を受ける患者にとっては、これは大きな進歩だろうと思う。
知らないことばかりだなと、改めて思った。
「リツキシマブ」をウィキペディアで見れば一発でわかることなのだから、
知る努力が足りなかったということでもある。
一方、腎臓移植を受ける患者さんたちも、リツキサンの知識があまりない人も多く、
ばりばりの抗がん剤イメージ(=おそろしい副作用)を持っていたり、
ものすごく強い薬と感じていたりすることもあるようだ。
もっとも移植後に免疫抑制剤を使い続ける人たちにとって、
リツキサンは実際「強い薬」かもしれない。
犬から腎臓移植へと、検索の旅でたどり着いたわけだが、
リツキサンの免疫抑制剤機能は、われわれ悪性リンパ腫患者にとっても
ヒントになるものがあるのではと考えてみた。
わたしも、造血幹細胞移植を受ける可能性はあるわけである。
移植後のGVHDによる臓器攻撃を、この考え方で防ぐことはできないものだろうか?
まったくの素人考えなので、GVHDはそんなメカニズムじゃないよと、
一笑に付されるかもしれないが。
では、いつものお約束ということで…
けっきょく、さっぱりわかんないですよ!
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