2011年5月20日金曜日

不都合な数字: その1。

治療が少し順調だからといって、うかれていたら大間違いだ。




←大間違いの図














再発になって、あらためて濾胞性リンパ腫について調べてみると、
「こんな大事なことも知らなかったのか!」という事実に、いくつか出くわした。

まず、この病気で生死に一番かかわりが大きい問題「形質転換」である。
なんで、こんなに形質転換にこだわるかというと、初発で右も左もわからない時、
食い入るように見ていた濾胞性リンパ腫の闘病ブログのブログ主さんがこの状態になり、
みるみる亡くなってショックを受けたからだ。
げっ、こんな病気になってしまったのかと。

そのブログ主を、仮に「かっぱさん」としよう。
↓私がまとめた、かっぱさんの病状だ。多少事実と違う部分はあるかもしれない。


ちょっと見えにくいが、かっぱさんは2004年に濾胞性と診断され、
R-CHOPを8回やって2005年11月寛解(CR)。
その後2006年10月ごろ再発して、リツキサンとフルダラで治療。
このころから、もうリツキサンがあまり効かなくなってきている。

そして2008年後半に形質転換が進み、もうどんな治療をしても効果がない状態になり、
2009年9月ごろに亡くなってしまう。
最後の7カ月は、フルダラ→R-EPOCH→R-DeVIC→VNCOP-B→C-MOPP
これに放射線も加えるが、何をやっても効かず、移植にもっていくことができなかった。
5回目のC-MOPPにいたっては、ホジキンリンパ腫のレジメンで、やけくそとしか思えない。
かっぱさんはその間、いかに不安で苦しかっただろう?

形質転換が進むと、頼みのリツキサンが効かなくなる。
ゼヴァリンも効きませんよと、医師から冷たく言われることになる。
従来どおりの大量抗がん剤治療を、効果が上がるまで取っかえ引っかえやって、
なんとか移植(自家移植でなく、造血幹細胞移植)を目指すしかないが、
その移植成績でさえ、形質転換の場合は低下してしまうらしい。
お手上げだ。
(suuさんからのコメントでわかったが、イノツズマブ(CMC-544)は期待が持てるようだ。
 あとレナリドマイドも効果があるかもしれない)


初発のときに調べた記憶だと、濾胞性リンパ腫で形質転換が起こる確率は3%だったはずで、
これならなんとか逃げ切れると思っていた。

ところが、いま調べてみると、3%は「毎年3%」のことらしく、
10年間で30%の確率になるのだということがわかった。
さらに長いタームをとると50%程度の確率になるとのことだ。



なんで、こんな人生設計にも関わるような事実を見逃していたんだろう。

濾胞性リンパ腫は、緩やかな川をゆったり下っていくような
慢性病のようなものだと思おうとしていたが、こりゃ無理だ。




 ←きびしい現実







というか、もう10%近い危険度じゃないか。


でも今回の数値は、ネットを探してもなかなか見つからるものではなかった。

たぶん、実際に形質転換をした患者だけに、医師がこっそり言うことなのかもしれない。
「実はね、こうなってたんですよ」と。



今回はビジュアルがいっぱいあって、やりがいがありましたよ。

2 件のコメント:

tokoma さんのコメント...

再発1クール目のリツキサン入れながらネットみてたら、目にとまりました(^。^)y-.。o○・・・・・年齢、発病時期・内容、病歴・・・ほぼ同じでは!
今は、ソルデム3A1500mlを体内に補給中。
明日は、フルダラ~ノバントロンとR+FMやる予定です。どんより空の札幌/病室より 2011・05・21 tokoma

suu さんのコメント...

濾胞性を再発形質転化があるので早く自己細胞移植した方が良いと言われたが、疑問を持ちセカンドオピニオンで自己細胞移植を急ぐとその後の治療法の選択が少なくなることを知り、cmc-544の治験をして現在ほぼ完全寛解状態の患者です、cmc-544の治験状況が悪そうな記載がありますが、治験で私が得た情報は完全寛解率は60%でその60%の方はすべて3年以上再発していないと聞いています。
主治医W氏はwatanabe先生ですか?