2011年7月21日木曜日

ゼヴァリン発注。

火曜日に病院から電話があり、ゼヴァリンについて話したいことがあるので、
すぐに来てほしいと言われた。
なにか病状に変化でもあったのかと、きのう病院に行った。

主治医の診察日ではないので、別の医師から話をうかがう。
どうやらこの医師は、病院の「ゼヴァリン担当」をしているようだ。

緊急事態でも起きているのかと、ドキドキしていると、
「きょうは、8月のゼヴァリンの発注締切日なのです」と医師が言った。
そ、そうなんですかと答えるしかない。

9月の治療予定者はすでに決まっていて、きょうの発注を逃すと10月まで待つことになる、
いま発注すれば、8月1日から入院して治療が受けられる、
主治医はそれを望んでいるのだが、どうですか?
と医師は続ける。

20日〆なのかよ、ゼヴァリンは!
なんて脳内突っ込みを入れていると、もう少し説明が必要とみたのか、
医師はゼヴァリンの治療について、いろいろと話してくれた。
そもそもゼヴァリンとは、という話からはじまったが、面白かったのは↓のようなことだった。

■ゼヴァリンの治療は、白血病でいうところの「地固め療法」と同じ役割と考えている。
つまり、寛解に近い状態を、より長期間の寛解につなげることが、
ゼヴァリンの最も一般的な使い方となっている。

■今までの治療プロトコルの数が少ないほど、ゼヴァリンは効きやすいと考えられてる。
わたしの場合は、CHOPとベンダムスチンで、プロトコルとしては2回。

■この治療を受けたからといって、病気が治癒するとは言えない。むしろしないと思ってほしい。

(まあ、そりゃそうだ)

■副作用の骨髄抑制は、治療2週間後くらいから始まり、2カ月がピーク。
血小板の減少がもっとも顕著な副作用で、血小板輸血を受けた患者は数名いる。
入院が必要なほど重い感染症にかかった例はいまのところない。


■ゼヴァリンの奏効率は、患者用パンフレットに書かれているよりは低い。
ベンダムスチンとゼヴァリンを単剤で比べるなら、ベンダムスチンのほうが効くと思う。

 (これは、わたしの場合はベンダムスチンをあと2回するという選択肢があるよ、
   と言っているのだと理解した)

■移植について主治医からは聞いているか?
ここで、 ゼヴァリンを使ってしまうと、次は移植が視野に入ってくる。
それは危険が多いことも考えておくべき。

ということで、ここでゼヴァリンを使うのが本当にいいのか、
患者としても考えてほしいと、医師は暗に伝えたいのだと理解した。
主治医が上司である手前、あまりはっきりと言っていないが、そういうことだと思う。

まあ、カードゲームのようなものだと思った。
ここでゼヴァリンのカードを切ると、切り札を使い切った状態になり、
後がなくなるというわけである。

で、わたしはゼヴァリンの発注をお願いした。
いまは何が正しい選択なのか、わからない状況にある。
ならば、主治医の選択に賭けようということだ。

これは、わたしの適当なカンだが、
ゼヴァリンは切り札といっても、他のプロトコルとセットで使うカードと考えれば、
今回のベンダムスチンとのセットがいいんじゃないか、ということもある。
(実際はベンダムスチンとセットで使われた例はない)

負けたら悲惨な賭けだが、それはしょうがない。


【その他知識】

・厚生省の指導(たぶん)で、ゼヴァリンの治療が受けられる患者は1医療機関で
月に2人までと決められている。
わたしの病院では、月1人に制限している。

・ベンダムスチンのおかげで、ゼヴァリンはいま多少余りぎみ。

・アイスランドの火山が爆発すると、ゼヴァリンは来ません。
(フランスから空輸されるため)




実は、賭けにはすごく弱いんですよ…

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