こいつ、と思う人は多いだろうが、まったくそのとおりだ。
「がん幹細胞説」は、ひと言でいうと、がん細胞には親玉と子分がいるという仮説のようだ。
仮説といっても、現在ではかなり信ぴょう性が高いものと考えられている。
幹細胞は、体の中の臓器や組織をつくりだす元になる細胞で、肝臓をつくる肝幹細胞、
皮膚組織になる皮膚幹細胞、悪性リンパ腫に関係する造血幹細胞など、
さまざまな種類がある。
それと同じように、がんにも「がん幹細胞」があるというのだ。
そして、がんの発生や再発、転移は、ごく少数の本体(あるいは親玉)の幹細胞が
コントロールしているというのである。
↓ここに、内容がたいへんわかりやすく書かれている。
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2011-05-09
すでに、1997年、急性骨髄性白血病でがん幹細胞の存在が証明されている。
白血病細胞のうち、表面抗原がCD34プラス、CD38マイナスの 細胞を少数マウスに移植し、
マウスに白血病を発病させることに成功。
逆に、CD34プラス、CD38マイナスという特性を持っていない白血病細胞では、
大量にマウスに移植してもマウスを白血病にさせることはできなかった。
つまり、白血病細胞のごく少数の細胞(=がん幹細胞)だけが、発病や再発に関わっている
ということが実際に証明されたのである。
また、白血病のがん幹細胞は、ニッチと呼ばれる骨髄の骨皮質のあたりで、
ゆっくりと細胞分裂を繰りかえしているので、
急速に細胞分裂をして増殖するがん細胞をターゲットにした抗がん剤は
効きにくいこともわかってきた。
ここまでこんなことを書いてきたのは、濾胞性リンパ腫がどうして再発を繰りかえすのか、
がん幹細胞説で納得できる気がしたからだ。
一般的な幹細胞(悪いものでなく普通の)は、休眠状態になることがわかっている。
いまは見つかっていないが、濾胞性リンパ腫にもがん幹細胞があったとしたら、
抗がん剤などで攻撃を受けたら、休眠状態でそれを受け流しているんじゃないだろうか。
こう考えると、いまの治療はリンパ腫の子分と、正常細胞という味方を見境なく殺し、
運が良ければ、どこかに隠れている親分も… というようなものなんだと思う。
しかし、濾胞性の場合、親分はじっと隠れているのが上手なので…。
ここまでわかってきているのだから、悪性リンパ腫のがん幹細胞を発見して、
それを直接たたく治療法がでてくることを願いたい。
まあ、わたしの世代ではまったく無理だと思うが、次の世代、次の次の世代では
「あ、濾胞性リンパ腫ですか?お注射打っときましょう」
みたいな感覚になってほしいもんだ。
薬の原料にされたり、
白血病にさせられたり、
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